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Win書庫V4による学校図書館用蔵書管理システムの構築:準備編【その1】


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学校教育では「アクティブ・ラーニング」という言葉とともに

学校図書館(いわゆる図書室)による学習環境デザインの改善についても

徐々に注目を集めている。

 

しかしその一方で,

学校図書館の管理・運営すらおぼつかないという学校もある。

特に蔵書管理のデータベース化においては

小中学校なら10校中3校,高校でも10校中1校の割合で電子化されていないのが

現状としての問題として横たわっている。

詳細は前回の記事を参考にしてもらいたい。

図書や資料の管理は学校図書館を単なる本棚の部屋から学習の部屋へと変えるための

重要な第一歩であるが,それにはまず準備が必要であることは言うまでもない。

そこでこの記事で紹介したいのは

「Win書庫V4」と呼ばれる学校図書館用蔵書システムである。

無料のアプリケーションでありながら,今尚更新し続けられている

稀有な存在である。

ただし,あまりにニッチなシステムでもあるため,

システム構築の詳細については公式のマニュアル以外に参照できるものがない。

 

そこで,この記事では

Win書庫V4を構築するための方法について

具体的に説明していきたい。

第1回となる今回は,物理的な機材の準備について紹介する。

 

Win書庫V4のハード面での準備

この記事で紹介するWin書庫V4の構築と運用については

基本的には公式のマニュアルに沿って話を進めるが

学校の実際の状況によっては多少端折ったり順序を入れ替えたりした方が

問題解決に早く近づけることもあるだろう。

したがって,公式マニュアルとは異なる説明をする部分もあるが

あらかじめご了承いただきたい。

 

まず,Win書庫V4を準備するために,ハードウェアを用意する必要がある。

マニュアルによると,必要なものは次の4つである。

  1. パソコン
  2. バーコードリーダー
  3. プリンタ
  4. バックアップ用ハードディスク

1. パソコン+液晶モニター

パソコンについてはマニュアル通りなら次のようなスペックが必要である。

  • CPU要件なし
  • メモリー2GB以上(推奨4GB)
  • ハードディスク 空き容量1GB以上
  • モニター17インチ以上(推奨19インチ以上,タッチパネル対応)

 

2017年時点で,

この要件を満たしていないパソコンを探す方がむしろ大変である。

 

「モニター17インチ」とあるが,図書室に設置することを考えると

必然的に持ち運びできないデスクトップパソコンの一択になるだろうけど,

デスクトップでモニター17インチは多分まず見つからない。

 

あと,ハードディスクについては

Win書庫V4をインストールするハードディスクを

OSのインストールされているCドライブ以外を推奨しているが,

これも,もし図書室据え置きのデスクトップパソコンでの運用を想定し

他の業務に関するアプリケーションを使うつもりでなければ

Cドライブ単体でも問題は少ない(ただしバックアップは必要)。

 

要するに,

パソコンのスペックについてはほとんど気にする必要がない。

Dellなどの価格の低いデスクトップパソコンで十分である。

買うタイミングにもよるが,50000円前後で収まるだろう。

ただし,スペックが要らないからといって中古パソコンの購入は勧めない。

一度図書室においたら通常のパソコンより

運用期間が長くなる可能性が高いからである。

また,パソコンのソフト要件は次の通り。

  • Windows 7以降(Windows 10ももちろん対応)
  • Microsoft Office(ちなみにフリーの「LibreOffice」でも代用可)

予算にもよるけど,

オフィススイートを無料の「LibreOffice」にしておけばもうちょっと安上がり。

 

なお,

Win書庫V4の構築にはインターネット環境が必須!

図書室の蔵書登録の際,IIS-NDLサーバー(国会国立図書館・国会図書館サーチ)

などから図書のデータを引っ張ってくることが可能で,

これを使うと蔵書登録が1冊あたり10秒前後でできる。

ネット環境とウイルス対策ソフトのインストールは絶対欲しい。

 

2. バーコードリーダー

公式マニュアルによれば,バーコードリーダーの要件は

「キーボードインターフェイス・タッチ式」

と書いてあるが,よほどバーコードリーダーに詳しくない限り

これがどういう要件なのか,さっぱり分からないというのが本音だろう。

 

なので「正直よく分からない」と思った人は

以下のバーコードリーダーを用意すれば問題ない。

バーコードリーダーは機能によって価格もピンキリだけれど,

上記は大体3500円と手頃でバリバリ使える。

購入すると付属のマニュアルも付いていて,

設定などはUSBケーブルをパソコンに繋げた状態で

マニュアルの中にあるバーコードを読み取るだけなので,すごく楽。

 

こういったバーコードリーダーは,いわゆる「セドリ」と呼ばれる分野で

結構一般の人にも需要があるので,簡単に手に入る。

 

3. プリンター

プリンターの要件は,公式マニュアルによれば

  • A4対応
  • レーザー推奨

とある。

先ほど少し紹介した蔵書登録の際,プリンターでバーコードシールを作成し

最終的には図書に1冊ずつ貼り付けていくことになる。

家庭にあるインクジェットプリンターの場合,貼り付けの際に手で汚してしまったり

経年劣化によって印刷されたバーコードが消えてしまったりするので

インクジェットプリンターは絶対にオススメしない。

 

・・・という話になると,

「レーザープリンターを用意するのは高いんじゃ・・・?」

と思うかもしれないが,意外とそうでもない。

 

例えば下記のレーザープリンターはカラーだが

その辺で売っているインクジェットプリンタより圧倒的に安い。

(ただしインクカートリッジはちょっと高い)

ちなみに上記のレーザープリンターはカラーなため17000円くらいするが,

モノクロでももちろん運用可。そちらの場合はもっと安くなる。

加えて,バーコード印刷にはラベルシートも必要なので

レーザープリンターとセットで購入することをオススメする。

ノーカットのラベルシールなので,

切らなければならないという一手間が加わってしまうが,

1枚が小さいバーコードシールを印刷すると,初めからカットされたシールでは

高確率で印刷のズレが発生し,無駄が生じてしまうのでオススメできない。

 

4. バックアップ用ハードディスク

バックアップ用のハードディスクは外付けであれば正直なんでも良い。

また,システム構築の初期段階ではそもそもバックアップするデータがないので

すぐに購入する必要は必ずしもない。

 

おわりに: Win書庫V4によるシステム構築に必要な初期費用はかなり安い。

この記事に関心がある人にとって,おそらく最初の難関は

Win書庫V4によるシステム構築云々以前に

管理職にシステム構築の意義の初期費用の予算について承認を得ることだろう。

 

「システム構築」というとどうしても言葉が硬くなってしまうが,

Win書庫V4それ自体が0円のフリーソフトであるのに加え,

他の費用も実は思った以上にはかからない。

パソコンやプリンタ,ネット環境などは,すでに代用可能なものがあれば

それを回して使えば良いだけのことだから,

そうなると最低限購入しなければならないのはバーコードリーダーくらいだ。

 

この記事がこれから学校図書館をデータベース化しようとする

司書教諭や学校司書の方の役に立てば幸いである。

 

参考:Win書庫V4

 

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ぜひ下記の記事からご要望いただけると幸いです。

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