師走というのは本当に時間の経過が早い。
ブログの更新もそりゃ滞りもするよ。
いや,ただの言い訳なんですけどね,これ。
そんな忙しい時期にも,どうしてもやっておきたいこともあった。
例えば,先日野暮用で東京に行った時,
ちょっと遠回りをして日本未来科学館に立ち寄った。
最後に行ったのが2012年なので,4年ぶりとなる。
なぜ日本科学未来館に行きたかったかというと,
2016年4月20日に常設展がリニューアルオープンしたため。
新しくなった展示を一度見てみたいと常々思っていたのである。
時間があればもっとじっくり見たかったのだけれど
今回はその中でも「未来逆算思考」という展示について
ちょっと紹介してみたい。
常設展リニューアル後の日本科学未来館へ行ってきた!
日本科学未来館に到着した時点で既に午後。
1時間ほどしか時間がなかったが,足早に常設展をまわってきた。
![f:id:uru3:20161225220456j:plain f:id:uru3:20161225220456j:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/u/uru3/20161225/20161225220456.jpg)
未来館の象徴といえば,球体の液晶でできた地球儀。
![f:id:uru3:20161225220455j:plain f:id:uru3:20161225220455j:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/u/uru3/20161225/20161225220455.jpg)
ちょうどその地球儀と同じ高さに位置する3階フロア「未来をつくる」の一角に
「未来逆算思考」というリニューアル後に登場した常設展示があった。
「未来逆算思考」とは?
![f:id:uru3:20161225220454j:plain f:id:uru3:20161225220454j:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/u/uru3/20161225/20161225220454.jpg)
「未来逆算思考」という常設展は
50年後に暮らす子孫たちにどんな地球を送るのか?を選択肢から選んだ後
現在から50年後の未来のルートをゲーム形式で選び,
その未来を体験するというもの。
・・・といっても,言葉で説明するのはちょっと難しい。
実のところ,私も最初この常設展の展示の意味をよく理解しないまま,
とりあえずその「子孫に送りたい地球」とやらを選択し,
ゲームをやってみた,というのが本音である。
しかし,このアクティビティが面白い!と思ったところはそんなところ。
現在から未来へ「贈り物」を渡すと,
映像の中で,その障害となるものがランダムに動き
邪魔をするようになっている。
![f:id:uru3:20161225220452j:plain f:id:uru3:20161225220452j:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/u/uru3/20161225/20161225220452.jpg)
障害物をうまく避けることができれば「贈り物」は未来に届けられ
そうでなければゲームオーバーとなる。
ゲームという様式をとっているが,
不確定要素の存在とそれに遭遇する確率をビジュアルで表現されており
イメージしやすくなっている。
ちなみに私の選んだ贈り物は,未来に届かず,ゲームオーバーになってしまった。
ゲームの成功あるいは失敗に限らず,
最後にゲームから想像される「未来逆算思考」について
モニター越しに研究者の意見を伺うことができる。
![f:id:uru3:20161225220453j:plain f:id:uru3:20161225220453j:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/u/uru3/20161225/20161225220453.jpg)
最初は「なんとなく」参加したゲームだが,
良い未来を考える上で,不確定要素やそれらが起こる確率について
想定することの重要性を間接的な対話を通して認識することができる。
ただゲームが面白いだけでなく,
ビジュアルから得られる分かり易さ,体験,研究者からのメッセージを通して,
認識の変化を促す工夫が散りばめられている。
企画の段階で非常に良く練られた素晴らしい常設展示であった。
おわりに:来館者の「こころ」に変化をもたらす展示の重要性を感じた。
一言に「科学館」といっても
どのような印象をもっているかは人によってだいぶ異なる。
少し古い科学館を想像するなら,色々な科学現象に関する展示や
大きな体験型のモデルで遊びなから,パネル越しに説明を読ませるようなものが
多いのかもしれない。
しかし,来館者が積極的に学習するために科学館を利用するならともかく
レジャー目的で来る人が,いちいちパネルの説明を読むだろうか?
常設展の難しさはそこにある。
面白おかしい体験を作るだけならそんなに難しいことではない。
体験を通して何かこころに変化を与え,来た時と帰る時とでは
少し違った人間になってもらう。
そんなことができる展示は決して多くない。
「未来逆算思考」はそのあたり非常に緻密に計算されており
「未来館」という名前にふさわしい展示であったことに感銘を受けた。
また時間があったら他の展示もじっくり見てみたいものだ。
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