こんにちは、uru(@uru_)です。
これを読んでいる方は大量の写真や動画のデータを保存するために、自宅で使用するNAS(ネットワークハードディスク)の構築を考えている人かもしれません。今回の記事はこれからNASを構築しようと考えている初心者向けの内容になります。
データ管理を向上させようとするとき、よく比較されるのがクラウドストレージとNAS。それぞれ一長一短あります。NASに限定していえば、次のようなメリットとデメリットがあります。
- 単位データ当たりのコストは安価にできる
- 初期費用がかかる
- 自宅であるがゆえの物理的なデータロストのリスクが付き纏う
デメリットを小さくするためには、NAS本体以外にもいくつかツールを購入する必要が出てきます。
この記事は、その中でも必須だと思う道具の1つ、UPS(無停電電源装置)を紹介します。
これを読んで用意するかしないかはあなた次第。でも、用意していれば、万が一の時に救われるのもまたあなたです。
NAS構築ならUPS(無停電電源装置)は必須
NASのデメリット(物理的データロストのリスク)を防ぐためには、初期費用が増しますが、NAS本体だけでなく次のようなものがあると理想的です。
- バックアップ用ストレージ(コスト的には多分HDD)
- UPS(無停電電源装置)
- 落雷対策
前者はともかく、後者のUPS(無停電電源装置)は聞き慣れないと思います。
UPS(無停電電源装置)とは何らかの原因で急に電源があった場合でも機器を安全にシャッドダウンしてくれる装置です。もっとざっくりいうと「バッテリー内蔵の電源タップ」です。
「何らかの原因」で最も多いのが、落雷による停電。NASはネットワークハードディスクといっても基本的にはPCと変わりませんから、落雷対策ももちろん必要ですが、停電してしまうとNASが強制的にシャットダウンされてしまうため、データが破損してしまう可能性があります。もし、データ保存のタイミングに雷が落ちたら、もう最悪です。
おまけに、近年は異常気象で積乱雲も発達し、雷の頻度も増しています。2018年、関東地方だけでも1年間に16万回以上、1時間に18回以上落雷している計算になるので、油断できません。
しかし、このUPSをNASと連携させておけば、もし停電しても内臓のバッテリーがバックアップ電源として働き、NASを自動的にシャットダウンさせることができます。
UPSってどんなもの?
では、具体的にUPS本体を見てみましょう。
NASで個人的におすすめなのはSynologyです。詳しくは後述しますが、「DiskStation Manager」というNAS用のOSが非常に使いやすく、今回紹介するUPSの設定もすごく簡単です。
個人的に使っているNASはDS218+というシリーズ。
それと併用して使っているUPSがCyberPowerのCP550JPです。
組み合わせはとても大事です。特にUPSの電圧やワット数がNASにあっているかどうかは確認しましょう。各メーカーが既にテストし安全とみなされたものをリスト化しています(製品互換リスト)。そちらを確認しましょう。
NASメーカーのWEBサイトに記載されている製品互換リストを確認しましょう
ちなみにこのUPSなんですが、結構重くてデカいものになります。たとえばCP550JPは、重さ2.5 kgでサイズも国語辞典くらいはあります。NASだけでなくUPSの設置場所もあらかじめ確保しておきましょう。
Synologyなら設定は瞬殺で完了できる
相性の良いNASとUPSを買うと、設定は非常に簡単です。これは主にNAS側のOSに依存しますので、NAS購入時の参考にすると良いです。
Synologyの場合は、まずNASの電源プラグをUSPにさし、さらにUSBケーブルを接続した状態で初期設定を行います。
次に、コントロールパネル(上級者モード)から[ハードウェアと電源]-[全般]を開いて、「停電後自動的に再起動する」にチェックを入れます。
最後に[ハードウェアと電源]-[UPS]の「UPSサポートの利用」をチェックし、細かい設定を行います。私の場合は、停電1分後にNASのOSがセーフモードに切り替わり、自動的に停止するように設定しています。
おわりに:備えあれば憂いなし
私の家にNASを置いて、記事を書いている時点でまだ1年経っていません。しかしその間に停電で既に3回NASが停止しています。データは今のところ一度も破損していません。
初期費用やUPSが手間だと思うなら、個人的にはDropboxやGoogleドライブといったクラウドストレージの使用をおすすめします。けれど、どうしても大量のデータを扱いたい人、家族でデータを共有したい人、SOHOなど個人で仕事をしている人は、UPSを使わない理由はないはずです。
「あのとき買っておけばよかった!」と後で後悔しないように、ご自身でよく考えてみてくださいね。