こんにちは、uru(@uru_)です。
モンキーツーリングも大好きですが、筆者の本職は科学教育や科学コミュニケーション活動の実践家、自称”学びのデザイナー”でもあります。なので、旅をしながら、書籍ではなかなか見つからない科学・技術につながるエピソードを探すのも私の旅の重要な任務なのです。
前回、神奈川県西部に位置する丹沢湖から神奈川県道76号線を北上する記事を書きました。
中川温泉をさらに北上すると山奥に「宇宙とつながる巨木」があるんですよ! …と言っても、実は私も行って初めて知ったことなのですが。
それが今回であった大木、中川のほうきスギです。
丹沢湖の奥に佇む巨木、中川のほうきスギ
かながわの名木100選とやらに選ばれている「中川のほうきスギ」は、丹沢湖を北上したところにあります。
Googleマップがなんかものすごくシンプルに見えますね…。
とりあえず近くの駐車場に旅のお供、モンキー125を止めます。
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紅葉とモンキーの赤、本当にインスタ映えします(多分黄色でも映えると思う)。
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11月の終わりだったので、大変紅葉が綺麗な時期でした。
が、これから見るのはスギ。常緑針葉樹。常緑ってことは赤く染まることもないし葉が落ちることもございません。
そのスギについて、このモンキー125の駐車場に非常に気になる看板を見つけました。
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中川のほうきスギの種は宇宙飛行士野口聡一さんと一緒にスペースシャトル・ディスカバリー号で宇宙を旅したらしいのです!!!
職業柄、これは興奮しないわけがない!!! 宇宙に行ったロボットとかメダカの子孫とかこれまでいくつか出会ったものはありましたが、スギの種は見落としていました。
しかもこのエピソードがすごい! 野口さんが乗ったディスカバリー号は2005年に打ち上げられたスペースシャトルですが、緊張の打ち上げだったんですよ。このスペースシャトルの前にコロンビア号が2003年に地球に帰還する際に空中分解して乗っていた宇宙飛行士7名が全員死亡するという悲惨な事故の次のフライトでしたから。
By NASA – KSC Media Gallery, パブリック・ドメイン, Link
ちなみに1988年のチャレンジャー号爆発事故の後にフライトしたのもディスカバリー。まさに「大事故の後のディスカバリー」なわけです。ちなみにディスカバリーに乗った日本人は野口さんの他に、向井さん(1988)、若田さん(2000, 2009)、星出さん(2008)、最後が山口さん (2010)です。
その”宇宙とつながる巨木”がこちら。
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…周りに比較できるオブジェクトがないので、写真ではスケール感が伝わらない。
でも明らかに1本だけやたら大きい気になる木なんです。
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すぐ横には小さな神社があります。
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![f:id:uru3:20181218225853j:plain f:id:uru3:20181218225853j:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/u/uru3/20181218/20181218225853.jpg)
高さが45m、周囲が12m、樹齢は推定2000年。ミレニアムウッド(?)ですね。
スギの根元に行ってみました。
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神社の横に行くと、確かに巨木の太さはわかるのですが、デカすぎて写真に写せませんでした。貧相な比喩をすると、幅は大型トラック以上。高さに至ってはてっぺんが見えませんでした。
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ここでふと気がついたのですが、中川のほうきスギの高さ45mってだいたいスペースシャトルのブースターと同じ高さなんですよね。
イメージにすると、こんな感じ。
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つまり、遠くから中川のほうきスギを見ればスペースシャトルの大きさも分かるという一石二鳥!!
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この偶然って、結構すごいと思う。
そしてもう一つ。中川のほうきスギと同じ場所に立った時の景色がこれまたとても素晴らしかったです。
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2000年の長い月日の間、ここから見える景色はどのように変わってきたのでしょうか。
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樹木は人間のように空間を移動できないけれど、人間と違って時間の旅ができるのが木の素晴らしいところのなのかもしれませんね。
人間とスギ。違う性質をもった生命がともに宇宙に行ったなんて、ロマンチックじゃありませんか?
おわりに:モンキー125で見つけた、生命と科学のつながり
モンキー125の話がいつもほとんど出てこないこのシリーズですが、モンキーのおかげで今回のような新しい学びに偶然出会えて、私は幸せです。
これだからバイクの旅はやめられない。
(続く)